週刊住宅 11年4月4日号で、当協会制定の「ガイドライン」についての記事が掲載されました

週刊住宅 2011年(平成23年)4月4日号 掲載記事内容

投資用マンション販売 業界大手が自主ルール 都中協 再勧誘を事実上禁止

ワンルーム開発・販売の大手企業で構成する任意団体、首都圏中高層住宅協会(都中協、会長=肥田幸春エフ・ジェー・ネクスト社長)は、電話や訪問などによる販売活動に関してのルールを定めた「投資用マンション販売に関するガイドライン」を制定した。宅建業法などの法令順守にとどまらず、宅建業者は適用除外になっている特定商取引法(特商法)に対応した自主規制も協会行動規範として定め、事実上、宅建業法より踏み込んだ『再勧誘の禁止』と『業者名の明示』などを会員企業に求めた。都中協では「会員企業はもちろん、会員以外のワンルーム系企業もガイドラインに沿った販売活動を行うよう働きかけていく」(肥田会長)考えだ。

業法以上の「業者名明示」も

ガイドラインの制定は、悪質な勧誘が一部に見られるワンルーム業界で協会が率先して公正な販売ルールを定め、トラブル防止とともに業界全体の信用力やイメージの低下を防ぐのが狙い。

今年3月には行政刷新会議の『規制仕分け』で投資用マンション勧誘が対象になったが、都中協がガイドラインの検討を始めたのはそれより前の昨年8月。先立つ7月には協会として消費者の苦情などを受け付ける相談窓口を設け、会員企業それぞれにも窓口設置を要請するなど、『規制仕分け』以前から「規律を持った販売を行うための自主規制づくり」(肥田会長)に動いていた。

今回制定したガイドラインは、「関係法令の順守」と、自主的にルール化した「行動規範の順守」の2つが柱。ともに宅建業法など法令を順守した販売活動を会員企業に求めたのはもちろん、宅建業法によって規制されている宅建業者には適用されない特商法を視野に入れた販売活動も協会としてルール化したものが特徴になっている。

「法令順守」では宅建業法が禁じる長時間の勧誘(47条の2)のほかに、「断られたにもかかわらずしつこく電話をかけない」と明示。購入意思のないことを示した消費者に再び勧誘することがないよう定め、宅建業法では明確に規定されていない再勧誘の禁止を事実上ルール化した。

このほか、深夜や早朝の電話勧誘の禁止をはじめ、消費者契約法が禁じる虚偽や不確実な説明による勧誘の禁止もあらためてルール化した。

さらに自主ルールである「行動規範」では、販売活動に先立って「自己を正確に名乗り、目的を明確に伝える」ことを求め、業者名や販売目的を告げてから勧誘に入ることを協会としてルール化した。こうした業者名や販売目的の明示義務も、特商法にはあって宅建業法には規定がない項目。業者名を名乗らなかったり、投資用マンションの販売であることを明確に伝えない悪質な勧誘が、トラブルの発生や行政による業者指導の妨げになっていると言われていた。

ガイドラインの実効性を確保するため、罰則規定も設けた。ルールから逸脱した行為を発見した場合は協定に報告することを求め、悪質度によっては監督官庁などへの通知や協会からの除名処分も検討するといった規定を盛り込んだ。

今後、協会ではガイドラインの幅広い普及を図るとともに、国交省をはじめワンルーム販売に欠かせない金融機関などとも意見交換しながら、「ガイドラインの徹底はもちろん、適正な事業活動に向けた取り組みを引き続き業界自ら率先して行う」(同)方針。

『規制仕分け』を経て国交省で進む投資用マンションの販売規制強化に対しては、「問題が指摘されている悪質な勧誘行為はごく一部の業者や営業マンによるもである実態を調査によって明らかにしたうえで、国交省と協議の場を持つ」(吉田隆也副会長=トーシンパートナーズ社長)ことにしている。

販売ガイドラインの一例
【関係法令の順守】
宅建業法
  • 断られたにもかかわらずしつこく電話をかけない。
  • 長時間にわたる執拗な電話勧誘をしない。
  • 深夜や早朝に電話をかけない。
  • 威圧的な勧誘をしない。
  • 不確実な将来利益の保証をしない。
消費者契約法
  • 虚偽や不確実な説明で誤認を与える勧誘をしない。
【協会の行動規範】
【罰則】

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